マルチクリエイター「こっちのけんと」こと菅生健人さんが活動休止を発表し、その理由が注目を集めています。こっちのけんとの病気や、兄である菅田将暉との関係性について詳しく解説します。
「こっちのけんと」の病気とは
こっちのけんとさんは、23歳のときに双極性障害（躁うつ病）と診断されました。大学卒業後に就職したものの、入社1年目に自宅の玄関で突然倒れてしまったことがきっかけです。当初はうつ病と診断され、その後会社も退職することになりました。双極性障害とは、気分が極端に高揚する「躁状態」と、深い落ち込みに襲われる「うつ状態」が交互に現れる精神疾患です。日常生活に支障をきたすことも多く、日本でも数十万人が苦しんでいると言われています。2024年にNHK紅白歌合戦に出演し一気にブレイクした彼ですが、現在は自身の体調を考慮して活動を停止しています。
菅田将暉の弟という重圧
こっちのけんとさんの本名は菅生健人（すごうけんと）。彼の兄は、言わずと知れた人気俳優・菅田将暉（本名：菅生大将）です。中学生の頃、兄が俳優として活動し始めた時期に、「菅田将暉の弟」という理由でいじめの対象になったそうです。高校時代も同様に、兄の知名度によって自分自身が見られることに苦しんだと語っています。「兄の顔に泥を塗らないように」という思いから、理想の弟を演じ続けたことが精神的負担となっていきました。大学卒業後も、就職してからも重圧は続き、ついには体調を崩して倒れてしまったのです。
「こっちのけんと」という名前の由来
「こっちのけんと」という名前には深い意味があります。「菅田将暉の弟」として生きてきた過去の自分と、今の自分を分けるための表現なのだそうです。病気で会社を退職することになり、「やりたいことしか続かない」と気づいた彼は、過去の自分（「あっちのけんと」）と決別し、新たな自分を「こっちのけんと」として表現するようになりました。この気持ちの転換をきっかけに、こっちのけんとは自分の好きな一人アカペラをYouTubeで発信し始め、菅田将暉の弟としてではなく一人の表現者として歩み出したのです。
「はい よろこんで（ギリギリダンス）」に込められた想い
こっちのけんとさんの代表曲「はい よろこんで（ギリギリダンス）」は、ポップなメロディと裏腹に、心の叫びを表現した楽曲です。この曲は、SOSを出せずに「はい、よろこんで」と答えてしまう苦悩を表現しているのだとか。心の中はギリギリなのに笑顔で答えてしまう経験は、多くの人が共感できるものでしょう。彼自身の体験から生まれた歌詞には、深い痛みと強さが感じられますね。
気になる兄弟仲は？
病気の診断や活動休止を乗り越えたこっちのけんとさんですが、兄の菅田将暉との関係は非常に良好です。菅田将暉は弟の活動を支え続けており、こっちのけんとさんも「兄の存在が自分にとってかけがえのないもの」と語っています。見た目や活動分野は異なる二人ですが、音楽的才能という共通点を持っていることは間違いありません。菅田将暉は俳優でありながら音楽活動も行い、こっちのけんとさんはYouTubeを通じて独自の音楽表現で支持を集めています。また、三男である菅生新樹さんを含めた三兄弟はそれぞれ異なる道を歩みながらも、互いに尊重し合い、家族としての絆を大切にしています。
まとめ
こっちのけんとさんが病気・双極性障害を患った背景には、菅田将暉の弟という立場の重圧や、周囲の期待に応えるために「理想の弟」として振る舞い続けたことによる心の負担がありました。しかし、病気をきっかけに、彼自身の本当の生き方を模索し、新たな表現者としての道を歩み始めています。